YOSHIとまとまるくんと酒と泪

 

今日、行きつけの100SHOP(行きつけって・・・)でまとまるくんと再会した。

ここでまとまるくんを知らない人のために説明すると、俺が小学生の時、休み時間に机の上に各々の消しゴムを置いて、

指で自分の消しゴムをはじいて相手の消しゴムを落とすという遊びが流行った。

これを我々の地方では『ベチコン』と呼んでいた。(語源や名付け親は不明)

そのベチコンで、輝かしい活躍を見せて・・イヤ魅せていた消しゴムがまとまるくんである。

彼の大きさから出るパワーや姿に似合わないトリッキーな回転で、俺は次々と猛者どもを蹴散らした。

しかし、その後は巨大消しゴムの台頭で彼の活躍の場は無くなってしまい、やむなく引退をして消息を絶っていた。

そんな彼と10数年ぶりに再会をしたのである。

YOSHI(以下Y)『まとまるくんじゃないですか!お久しぶりです!!』

まとまるくん(以下ま)『あの時の兄ちゃんか?大きくなったなぁ、オイ!何年ぶりだ?』

Y『いやぁ〜10年ぶりぐらいですかね?』

まとまるくん『10年?いや、もっとだろ?懐かしいなぁ?どうだ?飲みにいかねぇか?』

Y『イイっすね、行きましょう』

と会うや否や意気投合し、2人で飲み屋に行くことにした。

100SHOPの店員の目が多少気になったが、カウンターに105円を投げ入れると、店員も快く見送ってくれた。

飲み屋につくと、話は滝のように一気に溢れ出た。

Y『随分見ないうちに小さくコンパクトになったんじゃないですか?』

久しぶりに会ったまとまるくんは小さくなって4個セットで売っていたという微妙な事実にさりげなく触れてみた。

ま『そりゃ、お前アレだよ。お前が大きくなったって事だよ』

Y『そうですかね、ハハハ・・・それより何で100SHOPなんかにいたんですか?』

ま『まぁ世の中、デフレ不況とかでさ、俺も例外じゃなかったって訳さ。まぁ、消しゴム業界も色々あんだよ。

それに最近の子どもは消しゴムぶつけて遊ぶやつ・・・ほら何て言ったっけ?』

Y『ベチコンですか?』

ま『そうそう!ベチコン!懐かしいなぁ、オイ!そのベチコンってやつもやらなくなってしまってなぁ・・・

消しゴム自体の需要が減ってるらしいんだな。今の子どもはトレーディングカードとかに現を抜かしているらしいぞ。

全く悲しい世の中になっちまったなぁ、オイ!!』

Y『そ、そうですよね』

そんな曖昧な相槌をうつ俺もその昔、120円のカードダスにはまった時期があった事を思い出していた。

ま『で、兄ちゃんは今何歳になったんだ?』

Y『・・・今年で22になりましたね、おかげ様で』

ま『22かぁ〜若いなぁ!若いってのはアレだな、ひとつの武器だよな。もっと無茶苦茶に生きたほうがいいぞ!』

Y『はぁ〜そんなもんですかね?あ、それはそうとまとまるくんは何歳なんですか?』

年齢の話になったので、非常に聞きにくい話だが敢えて聞いてみた。

ま『俺?俺はほら、子どもに夢売る商売だからさ、年齢は言えないけどな、結構歳いってるんだよなぁ、

だから「まとまるくん」じゃなく「まとまるさん」なんだけどな、ハハハッ』

Y『あ、そうですよね、すいません』

ま『イヤイヤ、別にそういう意味で言ったんじゃないから、いいよ。俺と兄ちゃんの仲じゃねーかよ!

いいぜっ、兄ちゃんは俺の事をまとまるくんって呼んでも!今の子どもに呼ばれるとちょっと抵抗あるけどな!

あいつらは俺の本当の使い方も知らないで、俺の名を呼びやがるからな!微妙な回転のかけ方とかも知らないでな』

本当の使い方は鉛筆などの文字を消すことじゃないのか?と心で思いつつも、それを口にはしなかった。

世の中、辛いのは俺だけじゃないんだと思った。さらに今夜は長くなりそうだとも思った。

 

皆さんもどこかで彼を見つけたら『まとまるさん』と呼ぶ事をオススメする。それぐらい凄い奴なのだ。

 

 

 

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